6月10日(33日目) Memoriable Day

また、本ブログの主旨と若干ずれてしまって申し訳ないのですが、ロンドン滞在…というより私の人生において欠かせない出来事が起きたのでこれは書いておきます。


水曜と木曜は午後授業があります。その休み時間にけいたいをつけたら、アリゼのツイートの通知(いつもONにしてる)が来てました。

それがこれ。

ニースからだと飛行機かと思ってたけど、パリまで行ってユーロスターで来るのか、ふうん…と思ったところで。

2:30にツイートしていますが、2:30に駅で出国検査を受け始めたところか、電車に乗って人心地ついたところかはわかららないけれど、後者だとしてもパリ→ロンドン間は2時間半はかかります。ということはロンドン着は5時。私の授業が終わるのは4:40。

あれ…これ、間に会うんじゃない…?


交通機関、ならびにホテルでの出待ちっていうのを考えたことがないわけじゃないです。なぜなら「今○○へ行く飛行機の中だよ!」とかツイートする選手は結構いるから。

ただ、たとえば日本だったら羽田か成田か、いったいどこから乗ってくるのか、たとえ都市が特定できても航空会社でゲートが絞りきれなかったら、などと意外にハードルが高い。

でも、ユーロスターはパリ・ノード駅→セント・パークレー駅しかあり得ません。数もそう多いわけじゃないし、このあいだ乗ったとき、たしか出口は1つしかなかった。


というわけで、授業終わりにダッシュしました(笑)

セント・パークレーの駅に着いたのはちょうど5:05頃。ユーロスターはパリからとベルギーからかそれぞれ約1時間に1本ずつ着いているようで、パリからの線は1時間以上前のものが着いて以降、本来なら20分前に着くものがまだ遅れているという情報が案内板に出ていました。

そしてやはり出口は1つしかないようで、旅行会社や個人での出迎えをしている人は皆そこに集まっていました。

私は、その遅れているやつかその次のやつか、もしかしたらツイートをしたのは乗ってからだいぶ経ってからでとっくに着いてしまっているかもしれない、その2本待って会えなかったら帰るしかないな、と、ただひたすら出口から吐き出されてくる人たちを見つめていました。


着いてから15分ほどして、ようやく遅れていた電車が到着。

私はアリゼが誰と、どんな格好で(多少なりとも変装しているのかも含めて)、来るのかはわかりませんでしたが、とにかく絶対にバボラの赤いラケバを持っていることと大荷物であることだけは確証があったので、人々の顔と同時に荷物を見ていました。

私は出口に向かってやや右側に立っていましたが、電車が着いて5分したくらいの頃、荷物カートに赤いラケバを含んだたくさんの荷物を積んで、サングラスすらかけず、タンクトップにスウェットのラフな格好で、相変わらず乾かさないで寝たようにちょっと髪がもふもふた、見覚えのある高い鼻の顔がしれっと向かって左の方へ抜けていったのです。


人にいきなり声を掛けるなんて普段は躊躇しますがw、アドレナリンが出ているのとチャンスを逃したらせっかくの幸運に元も子もという気持ちにより、考えるより先に「アリゼ!アリゼ!」とそう大きくはない声で呼びながら小走りに駆け寄りました。

彼女は呼ばれることなどまったく想定していなかったようで、2度目に呼んだときにようやく私の方を見ました。あまりこちらをまっすぐ見ずに伏し目がちで、試合中うまくいかないときにやるように口を三角に開いて、明らかにちょっと不機嫌そうwただでさえアガっているのに、その表情を見てますますテンパる私。

「Sorry for sudden.」と言おうとすると、被せ気味に「私友達と約束をしてるんだけど…」と言われました。口でのんたら説明するにもきちんと聴いてもらえているのか、そしてそう思いながら話したらますます私の英語は支離滅裂になることは必至…ということで、とりあえずSorryと繰り返しながらわちゃわちゃとけいたいを出して、ツイッターのマイプロフ画面を開いて、彼女に見せ「It's me.」と端的に言いました。とにかくここまでの緊張感は尋常じゃなかったww


アリゼは鬱陶しそうな表情をしていても私が見せたけいたいの画面はちゃんと見てくれる程度には親切で、そしてそれを見た瞬間に、表情に近かった不機嫌顔から、我々もよく知っている表情に似た顔、白目がぐわっと存在感を主張する(笑)ように目を見開いた顔になって、けいたいの画面を指差し「It's you?!!」と繰り返して私を見ました。そして私がYesと頷くと、ぱぁああっと笑顔になって「Nice to meet you!」と言いながら、私がリアクションする間もなく私の肩に手を伸ばし、私にビズ(ヨーロッパ人の女性がよくやる、左右の頬をくっつけてする親愛の挨拶)をしてくれたのです(私はこのビズの作法を知らなかったのですが、頬をつけているときにちゅっとキスの擬音を出すものなのですね。申し訳ないことをしたw)。アリゼは日頃紫外線を浴び続けているとは思えないほど、写真で我々が想像するとおりのふわふわの頬をしておりました…。肌はすべすべでさらさらしていて、ちょっと温かくて、けしてぷにぷにではないけれど骨張ってもおらず、ふんわりとしていました。

それから「あなたのツイート好きよ、(いつも)ありがとう」「あ、そうか、私のツイート見て来たのね?」と話しかけてくれ、私が「そうなの、学校でツイート見たんだけど、あなたに会いたかったから、学校が終わってからここに来たの」と文をただ並べ立てたような英語を喋ってもニコニコ微笑みながら「わかるわよ」とばかりに聴いてくれ、「一緒に写真撮る?」と彼女の方から提案してくれる始末(笑)私はもう頭が真っ白です。手が小刻みに震えていました(笑)


アリゼは本当に友達との約束があるのか、スタッフチームと合流するのか、大会の出迎えが来るのか、途中でちょっと時計を気にする素振りを見せましたが、それでもさっさと切り上げようとすることはせず、言葉に詰まる私に「Are you happy?」といたずらっぽく笑いかけてくれたり、「ここ…ロンドンは気に入った?」「今、ここに住んでる…んでしょ?あたしあなたのことフォローしてるからね!」と私を喜ばせようとするような質問をしてくれ、私が「Can I ask you...」まで言ったところで、autographってwriteでいいのか!?などと急に逡巡し始めると「Autograph? Of course!」とむこうから訊いてくれたり、しかし学校から突然来たので何に書いてもらうかもペンも碌に用意しておらずもたもたする私を待ってくれ…。

そしてアリゼは「Oh! What's your name!」と尋ね、私が名前を名乗ると名前を繰り返し、Ok、と頷いていました。私の名前を覚えてくれたのでしょうか。というか、普通に考えたら「私○○って言うのよ!!!」とこちらからアピールするべきものなんだろうなあ…とあとで思ったり(笑)さらに私が「来週(バーミンガム)とか、ウィンブルドンとか、行くつもりだから…」と言うと「ウィンブルドン来るの??じゃあ私たち、また会えるわね」とニッコリ。

最後にもう一度別れのビズをしてくれ、私が手を出すと握手してくれ、「会えて良かった(Nice to meet you.)」を繰り返すアリゼに私は「Thank you.」を繰り返し、私は「Thank you Alize, have a nice day!(その時点でもう5時半だけどね!ww)」と言って彼女と別れました。


アリゼは最近写真で見ると若干笑い皺が深くなり、顔の皮下脂肪も減った感じで、やや老けて見えるのですが、目の前で見ると歳相応に若々しく、さらに最近写真で見るとむちむちして見える体も、服のせいとかいろいろあるんでしょうが、身長も思っていたより高くひょろひょろしていました(173cm…?うーん?という思いw)。

テンパっていたのでちょこちょこ後悔もあります(笑)サインしてもらったのが写真紙の裏だったので若干こすれてしまってたり、写真を撮る手が震えているので若干ブレていたりw、アリゼが帰っていくとこ見送れば良かったけれど限界超えすぎてとにかく落ち着けるところまでダッシュしたりしたので(笑)

でもそういうあとに残る何か以上に、アリゼが今まで「私のファンをしている日本人の若い女、今はロンドンに住んでる」とボヤッと認識していたもの(それも充分嬉しかったのだが)に私の姿と名前をくっつけてくれて、ヨーロッパ人にとって別に重いものではないけれども試合会場でたまたま会ったファンがけして皆してもらえるわけではないだろうビズをしてくれ、私の話をアリゼが聴こうとしてくれ、私を喜ばせようとしてくれ、たということが何よりも嬉しい。


アリゼがファンに優しい人かどうかは知りません(笑)もし私が彼女の知らない、私以上に“ただの”一ファンだったら、彼女は最初の不機嫌そうな表情を崩さなかったかもしれません(おそらく電車が遅れて予定がずれたせいもあったと思うけれど)。でも、私は私個人のことだけを考えれば、それなのに私には会えて嬉しいという言葉・顔をしてくれたのは逆にすごく有難いような気がしたりもして…w

ちなみにサインをしてくれたこととか、その他ちょこちょこは別垢でもツイしたけど、ビズしてくれたこととか名前を訊いてくれたことは英語では書いてませんwだって、アリゼの中でどういうルールかわかんないけど、ファンがみんな要求するようになったり、女の子のファンならいいけど男はダメとかあるかもしれないし、ないとは思うけど「なんであの子にはしてわたしはおれは」は避けた方がいいじゃない?(あれなんか上から目線ぽい…)w私も他のファンに会ったときにどのくらいのことをしてあげてるのかは知らないしね。


人生の忘れられない日の1つになりました。It's you?!と言ったときのアリゼの表情を私は一生忘れない気がする(笑)私が英語のスピーキング能力について考え始めた理由「もし私がいつかどこかでよしんばアリゼに会えたとしても、私は何を言えるんだろう?英語なんて碌に口にしたことないのにテンパったら、固まる気しかしない」というのを、一応は私とアリゼの間でコミュニケーションが成立する程度には乗り越えられたわけで(アリゼが聴こうとしてくれたからだけどね!w)、そういう意味でもちょっと嬉しかったな。

本当にこちらに来てから、1年前には信じられなかったようなありがたーい瞬間を得まくっています。もう3分の1過ぎているしもうちょっとしたら半分いっちゃうんだけど…と考えると結構恐ろしいくらいに。この街が気に入っています。

来週のバーミンガムはOOP次第で月曜か火曜に訪れます(笑)結構豪華メンバーになっていたからアリゼは1RでCCにはならないかと思うので、またアリゼに「会え」たらいいなあ。

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